著者:カモ
出版社:KADOKAWA(COMICフルール)
★
攻め:クロ(黒髪表紙右)/受:慧(銀髪表紙左)
『幼馴染でひとつ年下のクロに懐かれ、周りからは「飼い主と犬」のようだとからかわれてきた慧。クロといる時間が長く、女っ気のない日々をなんとかしたいと飲み会に参加しようとした矢先、クロから好きだと告白されて・・・』
執着攻め・ワンコ攻め・大学生・幼馴染
展開が読めてしまうため大きな山場やオチはなし。
個人的にちょっと狂気じみたくらいの執着が好みで期待して購入したんだけど本作は所々サイコパスっぽい感じ(あくまでも”っぽい”)を出しつつも結果そんなでもない。十分に執着はしているので実際に攻みたいな人間がいればしっかりヤバいんだけど、振り切らない感じがもどかしい。
基本的に攻と受とのやりとりで世界が回っているため当て馬や第三者の存在はほぼ無し。最初から最後まで二人の話。
攻と受は小さい頃からの幼馴染で攻はその頃から受にご執心。そのきっかけになるエピソードも弱くて、元々攻が特殊な感受性を持っていてたまたま隣にいた優しい人が受だったのかなぁくらいの熱量に思えてしまった。なんにせよ攻にとってはそこから受一筋で世界が回っていくんだけどもワンコ味はさほどなかったかなぁ・・・確かに裏表二面性のある感じの描写ではあったけどワンコといわれると?ずっとニコニコして受の側にいたがるくらいでワンコ特有の忠誠心や甘えたがり感はあまりなかった気がする。なぜか周りから「飼い主と犬」というコンビで当たり前のように受け入れられているが、裏の顔がある為表ではワンコ風を演じているように見えた。
受に関しては最初、まるっきしのノンケでなんなら彼女欲しい!作りたい!っていうタイプかと思ってたのよ。だから可能性がほぼ無い攻がそこまで執着をこじらせて長い時間をかけて計画的に落としにかかったのかなぁと推測していたんだけど。いや、多分その推測は途中まではあってたんだと思うんだけど。攻が告白してお試し恋人期間がスタートした第二話から受が流される流されるwあなた気づいてないだけで好きだったんじゃないの?なんなら知らないうちにちょっと執着されることに気持ちよくなってんじゃないの?それなしじゃ物足りなくなってんじゃないの?受け入れがとてもスムーズです。
ーーーーーーーキリトリ線ーーーーーーー
以下より下からはネタバレを含む
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ワンコ攻って受は面倒見がよかったりお兄ちゃん味があったりするじゃん?その延長線上でワンコとしてスキンシップしてたらいつの間にかそういう感じになってました?!みたいなイメージがあったんだけど、というかそういうのが好きなんだけどw本作の受は特別攻に対してべったりだったり世話焼きだったりするわけじゃないのよ。ただただ攻の執着に受入れ態勢があってそれに付き合ってるだけなの。まぁそれが合体してからとんだビッチになっちゃうんだけどね。最後まで受のどこにそんな執着するほどの魅力があったのかわからなかった。
攻の押してダメなら引いてみろ作戦で見事に受を手に入れたんだけど、正直押し続けてても結果は同じになったと思うんだよね。そこから先は想いの強さが強調されるだけで最後は若干共依存的な感じで、執着する者と執着されることに落ち着いた者で終わり。
BL初心者で定番モノからちょっと癖ありのものに挑戦したい時にいいかも。絵も可愛いし、合体もあるし、重すぎずサクッと読める。”執着”は癖ありだけどその中でも癖がない方かな。
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