
作家名:彩寧一叶、加納邑、櫛野ゆい、茶柱一号、松梶もとや
出版社:リブレ
★
『実在する獣に変身できたり、竜人をはじめとする幻獣たちとのラブやエロやもふもふした毛並みを堪能できるお話だけをまとめたアンソロジー小説!』
〇収録作品
狼族の獣人×ヒト族(茶柱一号)
ハムスター×ヤンキー(松梶もとや)
白虎皇帝×医学生(加納邑)
九尾の狐×所有の印を持つ者(彩寧一叶)
竜人×異世界に迷い込んだ青年(櫛野ゆい)
〇表紙
二駒レイム
獣好き・スパダリ・獣人化・王道・ハピエン・オメガバース
獣好き・スパダリ・獣人化・王道・ハピエン・オメガバース
完全に表紙イラストとタイトルに惹かれ購入。
獣系と聞いて無条件で萌えてしまうのはBLというジャンルに限らず共通だと思うのでしょうがない。
このアンソロジーの物語全て、まさに女子が理想とする攻様が勢ぞろいしており”The王道”こてこてに女子の願望をそのまま形にしたような内容になっている。物語の流れが多少強引でも、一見ギャグなのでは?と思うほどの非現実的な要素があったとしても、全ては女子が夢見る「本当にこんな王子様のような人(雄)がいたらいいなぁ」を叶えた本。
二駒レイコさんの表紙イラストに惹かれて購入したものの表紙以外挿絵は一切なし。というか物語に関わる挿絵も一切ないので残念。あらすじでもふもふを推しているのであればせめてイメージできるくらいの挿絵の一つでもあれば目の保養になるのに。妄想にも拍車がかかるというのに。
一から自由に想像し創造すること、それが小説のいいところではあるけれど、表紙の男の子に惹かれた私はどこかで彼を探しており、どこにも表れないことを知りなんとももやっとした気持ちが勝手に残った。アンソロジーあるあるの購買戦略にまんまとハマった私だ。
動物が人間化する、または獣人の世界観など、元々非現実的な世界線なので想像力がないとストーリー全てがギャグ化してしまうが、その世界が当たり前だと思い込んでしまえば萌える要素はたくさんある。なんと言っても獣自体が萌え要素の宝庫なので、もふもふだったり動物っぽい合体だったりは動物ならでわで良い。またこのアンソロジーの獣たちは全て攻で人間が受のパターン。なので動物的な雄らしさがたまらん。なぜかその分受が女々しすぎるような一面はあるけど、強すぎる雄の前では人間はそうなってしまうのかな?
動物のチョイスも良かった。王道とはいえネコ科は外せない。虎や狼、キツネなんかはその見た目だけでも十分萌える。他にも意外性なハムスターというのもありおもしろいチョイスだった。
せっかくなら動物ならではの特徴(特に合体方法や生殖器)を生かしたお話があれば、わざわざ動物をテーマにした意味が出てくるのになぁと思った。まぁそうなってくるとちょっと人間的要素から離れるのでまた別のジャンルになってくる気もするけど・・・都合よく人間の身体になると本来の動物としての特徴も消えるのが難しいところ。
獣×BLの組み合わせといえば忘れられないのが「番」というシステム。このアンソロジーでも当然の様に多用されている。
最初からお互いが好き同士っていうのはあたりまえで、攻がもれなくスパダリでかつ雄雄しい。そして皆愛ゆえに束縛気質。生涯お前だけ、っていう攻ばかりです。
それに比例するように受は大体受け身がち。合体のみの話しではなく全体的に。なにも文句のない攻に頭が上がらなのか愛されすぎて考える必要がないのか。基本的に攻の押しをおとなしく受け入れている。受も受で盲目的なところは攻と同じで、この先の人生もあなたに捧げますっていう姿勢。
ーーーーーーーキリトリ線ーーーーーーー
ーーーーーーーキリトリ線ーーーーーーー
以下より下からはネタバレを含む
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〇僕の愛しい寡黙な狼
義理の兄弟もの。昔受が死にかけているところを助けてくれたのが獣人で現在義理の兄になる攻。
二人共出会った最初から互いに想い合っている両肩想い状態。世界観もしっかりしているし受攻以外の登場人物も出てくるのでイメージは一番しやすかったし読みやすかった。でも、ページの関係か終盤になるにつれてどうにか二人をくっつけさせようと急いでいる感と、せっかく魅力的な出演者がいるのに結果的にないがしろにまとめられており残念だった。
また二人が結ばれることで全ての問題が一気に解決し、都合よすぎたのも残念。
〇ハムスターに俺の貞操が狙われている件
ペットと飼い主のすったもんだ。ペットのハムスターと飼い主の受は互いに唯一の存在。受は見た目が相当なヤンキーで友達ゼロ。唯一の癒しがペットだけ。ハムスター側の攻もいつも愛情を注いでくれる
飼い主に大きな愛を感じており、人間になって愛したいと常々願っており、その思いがある日叶ったもんだから大変っていうお話。
ちょっとギャグっぽいストーリーだけどハムスターが金髪イケメンでぐいぐい押してくるギャップは良いと思った。こちらもスパダリでリアルに受が喧嘩売られてた時は全力で助けていたし、なぜか女性(メス)経験が豊富な攻に手ほどきされてる受もおもしろかった。
ちょっとギャグっぽいストーリーだけどハムスターが金髪イケメンでぐいぐい押してくるギャップは良いと思った。こちらもスパダリでリアルに受が喧嘩売られてた時は全力で助けていたし、なぜか女性(メス)経験が豊富な攻に手ほどきされてる受もおもしろかった。
テンポよく読めたがあくまでもギャグっぽいノリ。終始人間の言葉をTVで勉強したであろう攻のセリフがいちいちクサくてウケた。
〇白虎が真夏の夜に見る夢は・・・ 皇帝シリーズ番外編
次期皇帝と世話役もの。こちらももちろん金持ちでスパダリの攻。両肩想いのくせにお互い最後の最後まで想いを伝えられずもじもじしている。離れ離れになる最後の夜にスパダリの攻がいかにもな美しい風景が見れる高級ホテルで豪華なディナーを用意して受けに告白。いや、テンプレート並みのシチュエーションですが、こういうこてこてなのが世の女性にはやっぱり響くんだろうなぁとw
素晴らしく完璧な接待?をうけ、その流れで好きな人からまさかのプロポーズされるという神展開。
もちろんそのまま素敵な初夜を過ごします。このお話に関しては元のネタがある前提だし、その一部を垣間見た感じなのでまぁこんなものだろう。前後にそれぞれ物語があり、気になる方はそちらも読めば更に楽しめるよってことか。かといってその前後のお話しを読みたくなるほどそそられはしなかった。
〇神狐と印を刻まれた番
お狐様と霊力のある人間もの。日本古来の神様とあってちょっとホラーめいた雰囲気があるお話。
狐様のしゃべりかたとか昔風で気品あるんだけど、なぜか最初からめちゃめちゃに束縛が強い。とにかく子を孕ませようっていうことが優先だっていたのが最初。そこから徐々に無理やりなのはなくなって
、ちゃんと受とコミュニケーションをとるようになるんだけど、まさかの当て馬が出てきて一悶着あり。
神様で力もあってカッコよくて、千年もの間自分という存在を待っていてくれたスパダリ。執着は相当だけど最終的には受も攻の子を産みたいと願っていたし、結果お狐様と末永くお幸せにっていう二人にとってはハピエンでよろしいかと。
神様で力もあってカッコよくて、千年もの間自分という存在を待っていてくれたスパダリ。執着は相当だけど最終的には受も攻の子を産みたいと願っていたし、結果お狐様と末永くお幸せにっていう二人にとってはハピエンでよろしいかと。
〇ジーンの巣作り 竜人と運命の対番外編
竜人と人間もの。こちらも元ネタがある上での小話。仕事が忙しくしばらくいちゃいちゃできなかった二人の久しぶりにいちゃいちゃした話。
オメガバースものを読んでいて、巣作りするのはてっきり受ばかりかと思っていたけれど、このお話しでは攻が受を想いすぎて受の身の回りのもので巣作りしており、受攻関係なく巣作りはするものなんだと新たな発見だった。あくまでも動物的本能であって受だけがするものではないんだなぁと。お話としては終始二人が互いを想い合っていていちゃいちゃするだけ。
オメガバースものを読んでいて、巣作りするのはてっきり受ばかりかと思っていたけれど、このお話しでは攻が受を想いすぎて受の身の回りのもので巣作りしており、受攻関係なく巣作りはするものなんだと新たな発見だった。あくまでも動物的本能であって受だけがするものではないんだなぁと。お話としては終始二人が互いを想い合っていていちゃいちゃするだけ。
本作はアンソロジーなだけあって、様々なシチュエーションと立場で攻と受が終始いちゃいちゃする、それを小出しに連続で見たい人向け。ハラハラしたりもなく安定にハピエンに向かうのでご安心を。
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