著者:やん
出版社:Charles Comics
★★
攻:寅井(黒髪のアゴ髭)/受:紀里谷(眼鏡)
『スランプ中の小説家・紀里谷耕介は、人間嫌いで人見知り。そんな紀里谷の家に、庭師・寅井蘇鉄がやってくることになった。派手でヤンキーみたいな見た目の寅井は、紀里谷がもっとも苦手とするタイプ。そっけない態度をとる紀里谷だったが、寅井はあっけらかんとした態度で偏屈な紀里谷の心を開いていくーーー。』
ストーリーよりは合体がメインの漫画。
表題作の庭師×小説家の他に、仕事できるイケオジリーマン二人、アラブ系の褐色泥棒×大富豪、イギリスが舞台の小児科医師×カフェオーナーのゲイ夫夫、と全4組の短編集。
そのせいかどのお話しも内容が薄く、結果合体シーンが一番の盛り上がりのピークになるような構成になっている。
表題作に関しては本の約半分を使ってしっかり描かれているのでまとまってはいるものの、やっぱり合体シーンがメインになっている印象を受けた。
とにかく絵が上手くて眼福です。どの男性もガタイが良く脱いだ時の肉体美は素晴らしい★おじキャラもちゃんと大人で色気があってカッコいい。一番の推しは庭師の寅井さん。庭師のユニフォームがめちゃめちゃにかっこよい!鳶職とはまた違うスタイルで日本らしい要素があって、更に寅井さんのマッチョな体が綺麗なシルエットを作っていて、まぁそれはとてもエロいです。このイラストを見れるだけでも十分見る価値はあった。
合体シーンも力入れているだけあってとても綺麗でエロい。The男同士って感じで、よくあるなよなよした男子同士のいちゃつきよりオスっぽさが強くて良かった。
ーーーーーーーーーーーーーキリトリ線ーーーーーーーーーーーーー
以下より下からはネタバレを含む
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表題作は他の作品に比べてストーリーとして丁寧に時間が流れていたけど、肉体関係になるまで
が急すぎてびっくりした。ゲイとはいえ極度な人見知りの受が、好みの体格でグイグイくる攻を自ら家に泊まらせるなんて・・・結構簡単にパーソナルスペース開いたなぁと・・・
攻も元々ゲイなのかいきなり合体しようと迫ってきて急展開が過ぎる。「はじめは憧れの人に会えて嬉しいってだけだったけど」・・・からの続きが知りたかった!
庭師という専門的な職種をピックアップしており、どうストーリーに絡めてくるんだろうと思っていたけど。共通点のない受との交流のポイントとして上手く使われていたし、なにより思ったより専門的な知識が会話にちりばめられていて、しっかり庭師について調べたんだなぁと感心したし勉強になった。専門職はそれだけで魅力のポイントになるけど肩書と格好だけだと逆に薄っぺらく感じてしまうから、この作品みたいにちゃんと話す内容だったり癖とかがみえてくるとぐっとリアリティが出て良い。
あと3組のカップルに関してはページ数の関係か内容は薄く、まさに合体シーンを入れてギリ完成させたという感じ。それぞれに設定はあるんだろうけど特にがっつり触れたりすることはないのでその辺りは読者にまるっとゆだねられる。
短編はおまけみたいな感覚でさらっと読む感じかな。
短編はおまけみたいな感覚でさらっと読む感じかな。
その中でも個人的にはイギリスのゲイ夫夫のお話しをもっとちゃんとしたボリュームで見たかった。
作中では最終的に”子作り”と称して合体するというオチで、なんやそれって感じだったんだけど。ちゃんと籍も入れて子供も欲しいという設定はBLでは結構珍しいので読んでみたいなぁ。あと単純に、表情筋ほぼ死んでて何考えてるかわからないのに実はめちゃくちゃ受にべた惚れっていう攻設定が好きなのもある。
BLには合体シーンが必須でむしろメインですっていう人は絵も綺麗なのでいいかもしれない。ただストーリーも重視したいってなると内容は浅いので特に印象には残らない作品だと思う。
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