著者:ここのつヒロ
出版社:花音コミックス


攻:水上(表紙右のグレー髪)/受:加久田(表紙左の眼鏡)

『17歳で彗星のごとく文壇デビューした水上青年は直後、筆を折る。秘められえた真実ーーー受賞作は盗作だったのだ。
やがて営業マンとなった水上は、同期の地味総務・加久田に「大ファン」だと告げられる。何も知らず、無邪気ともいえる加久田の賛辞。水上は自分の忌まわしい過去を愛する加久田に何の因果か惹かれてしまい、肉体を要求していくが・・・2人のサラリーマンに降り注ぐ繊細で残酷で美しすぎるラブストーリー。大幅加筆修正。』



いろいろな問題を絡めているように描かれているけど、そんなことは関係なくて結局二人共出会った時に普通に惹かれあって好きになったんでしょ。で完結するので中身としては浅いです。

攻はずっと兄の作品を盗作したことを後悔して引きずっているし。受は攻の作品をとにかく崇拝しまくっていて、そのまま著者に対しての恋愛にまで発展してしまうというもの。

攻は盗作してできた自分の作品に触れてくる人物たちを
鬱陶しく思ったり適当にあしらってるんだけど、受に対しては勘弁しくれと呆れてみせつつも、その時には既にどうにか受を自分のものにできないかと考えており、逆に作品をネタに使って自分から受に近づいていく状態。はて、他のファンと受とは何が違ったのか?受がどれほどの辛い過去があってどんな風にその作品に救われたのかとかそんな話しもしていない段階で惹かれてるって・・・それってもう攻の作品関係なくない?って思ってしまう。あらすじに「何の因果か惹かれてしまい」ってあるけど、因果なんて何にもないよ。

”作品の盗作”ってスパイスを使って体よくいちゃついてるだけで何が問題なのかわからなくなってくる。



ーーーーーーーーーーーーーキリトリ線ーーーーーーーーーーーーー   

以下より下からはネタバレを含む
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓



受に関しても作品が好きな理由はわかるが実際に著者に対して恋愛感情を
抱くのはなぜかわからないし理由も特に描かれてない。最初からそういうものとして設定されている。ましてやそんな憧れ?の人が自分の作品をネタに体の関係を求めてきてるのにすんなり受け入れてしまうのも理解できない。本当に盗作の真実が知りたいだけなのかな?受にとって既にその行為は脅迫にもなってないのに。男経験があるのかゲイなのかも描かれていないからわからないけど、ほぼ強制的に体を迫られているシチュエーションなのに初めからめちゃめちゃ乳首で感じちゃってるし。ちなみにこの二人は乳首攻めが好きなようでそういうシーンでは度々イジられています。

攻の上司のパワハラも、新歓後の飲み会での出来事も、二人の関係を近づけるにはとても弱い出来事で特になくてもいいエピソードだったと思う。

肝心の兄と攻の関係も実はそんなに大事でもなく、ちょっと疎遠になったくらい。それも攻が一方的に引け目を感じて距離を置いていたという。盗作も攻が勝手に後ろめたさを感じているが当の兄は一つの作品だと認めているし攻を憎むこともなかった。全てはただの後ろめたさ。それがここまでこじらせてしまったというだけで物語の軸にするには弱かった。

盗作というキーワードを無理矢理絡めてはいるが二人の恋にはあまり関係なかったように思う。同じように合体シーンに関してもなんとかそういうシーンを盛り込んでいく感があってイマイチだった。

なぜここまで攻が受にずぶずぶにハマってしまったのかがわからないし、受も自分が好きな作品の著者だからってなぜ攻のことを無条件で好きになったのか、具体的にどこがどう好きなのかもわからなかった。結局ひとめぼれというか単純にお互いタイプだったんじゃないか説。正直なにもなくても攻は新歓後の飲み会で受のことを気になってるし、受は作品の著者というのを抜きにしても攻に惹かれて普通にくっついただろうなと思う。

物語はともかくイラストは良かった。身体のバランスは所々崩れるけど
個人的には攻の顔がかっこよくて好き。色気がある感じ。

深堀りするような内容はほぼなく描いてある情報をそのまま流し読むような本だった。