著者:樋口美沙緒
出版社:キャラ文庫


攻:エドワード(金髪)/受:礼(黒髪)

『名門貴族の子弟が集う、全寮制パブリックスクール 
その頂点に君臨する、全校憧れの監督制で寮代表のエドワード。
母を亡くし、父方の実家に引き取られた礼が密に恋する自慢の義兄だ。気ままで尊大だけれど、幼い頃は可愛がってくれたエドは、礼の入学と同時に冷たく豹変!「一切誰とも関わるな」と友人を作ることも許さずに!?厳格な伝統と階級に縛られた、身分違いの切ない片恋!』



どうして結ばれたのかわからない二人。

天涯孤独になった受は親戚であるイギリスの家族に引き取られ、そこの息子である攻と出会う。前半はこてこての階級社会主義の家族と学校の中で誰からも受け入れられない受がひたすらに不憫で可哀そう。そんな中一時だけ一緒に過ごした攻と少しだけ心を通わせるようになるんだけど、この出来事がとにかく受にとって唯一の揺るがない軸となっていく。

・檻の中の王
・群れを出た小鳥
・八年後の王と小鳥
・ロンドンの蜜月
とシリーズ化されている二人なのでさぞ人気なんだろうなぁと思うんだけど私には合わず。2巻まで読んでリタイアしました。

とにかく攻のツンデレのツンばかりなのがしんどい。本気で好きだからこその徹底ぶりだとしても理解できず。そこまでする必要があるのかどうか謎だし、そうと思えば急に受に対しての想いが暴走し止められなくなったりする。カースト上位者だから周りもそれに振り回されるし本当なにがしたいんだか。

受は受で母子家庭というバックグラウンドがあるとはいえ、母の教えである「自分から人を愛すること」に縛られすぎており、あまりにも理不尽なことを受けてもその信念を貫こうとする。その姿は無垢というよりは無謀にしか見えなかった。



ーーーーーーーーーーーーーキリトリ線ーーーーーーーーーーーーー

以下より下からはネタバレを含む
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なんだかんだ目を疑うような態度をとる攻も、結局は受への愛や独占欲だったりするんだけれど・・・まぁ残念ながらひねくれ過ぎて共感できず。そんだけ権力や人望があるならもっと早い段階でうまいこと
できたのではないかと思ってしまう。まぁ攻の家庭も育ってきた環境も特殊なものすぎて、高校生にしては自分の体裁や自分の将来っていう重い問題が常にあって大変な人ではある。
卒業間近の後半は思い通りにいかない受に振り回されて自分を保てなくなってるし、周りに対してもだんだんどうでもよくなってきていて大変だなぁという感想。

受は常に自己肯定感の低い考え方でちょっとウザい。自分なんて・・・って言いながらも急に自分の自我を通して譲らなかったりするからよくわからないし。もちろんそこには攻への愛があるんだけど裏目に出ていて結局面倒くさい印象。まぁそうしないと物語としては進んでいかないんだけれども・・・したたかなようで実は図太いというか、弱くて不幸な自分をどこか諦めて受け入れちゃっているというか、なんだか好きになれなかった。

オーランドという人物との出会いでハブかれていた受が徐々に他の生徒たちから受け入れられていくんだけど、あれ程みんな酷く無視したり悪態吐いたりイジメてたりしていたのに、急によく見ると可愛いだの抱きしめられもてはやされたり、イジメていたやつからは迫られたり。いやいやあまりにも急にたくさんの人から愛されすぎて都合が良すぎると思った。
最終的に日本に帰国した受なんだけど、なぜか愛されキャラと化した受は仕事のクライアントにも迫られてしまう始末。モテキャラ爆誕。

途中で過去に攻と関係があったと噂のあるジョナスという生徒があらわれるんだけど、この人も存在感がある割にはがっつりあて馬になるなるわけでもなく、さほどキャラの意味をなさず。同じようにオーランドも受と親密になり重要なキャラになるかと思えば後半終息していき期待していたようなハラハラ感はなかった。個人的にはこの作品で唯一推せそうなキャラだっただけに残念。

最後は金も権力も見た目も更にカッコよく成長したスパダリの攻が受を迎えに来てハピエン。
紆余曲折あるようにみえて実はそんなに無いストーリーだった。あくまでも2巻までの感想です。