著者:重い実
出版社:一迅社(gateauコミックス)
★
攻:高東(黒髪イケメン)/受:坂口(表紙天パ)
『平凡で意志の弱い坂口は、料理上手で気が利くイケメン高東に予定を把握され、執着される毎日を送っていた。ルームシェアをしている二人は一緒にAVを見たことをきっかけに、身体の関係を持ち、高東のエッチな要求は日に日にエスカレートしていく。今では一緒にお風呂に入り、恋人同士のような甘いキス。
しかしある日、高東は合コンに出かけて行き、どうやら最近彼女ができたみたいだ。どういうつもり。』
タイトル通り”アホ”で”エロ”でしかない漫画。
作中の二人はとにかくヤりまくるし、お互いのことが好きなくせになぜか恋人という関係性になかなかならない。
そんな絶妙に微妙な距離感を、自分の気持ちに正直になりながら縮めていくという物語。
個人的には画力不足で萌え切らなかった。表情の描き分けはあるもののどうも線がタンパクというかキュンとこない。
そのせいか、たくさんあった合体シーンも特にそそられず。裏表紙のイラストを参考にお願いします。
The大学生なノリの会話はとてもテンポがよく、またシリアスすぎる所がないので読みやすい。お互いの心情の変化もしっかり描かれているのでわかりやすい内容だと思う。
ラブラブ度はかなり高いと思うが、中途半端な関係が長いため恋人としての充実感は低め。
ラブラブ度はかなり高いと思うが、中途半端な関係が長いため恋人としての充実感は低め。
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以下より下からはネタバレを含む
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受は攻のこと好きなくせに全く自覚がない。「あぁ、あいつは俺の体が良くってヤってるんだ」って信じて疑わない。むしろ攻にトキメキそうな自分に最後まで勘違いだとあらがっている。
攻が「普通はしないと思うんだよ、こぉいうこと」ってツッコむんだけど、まさにおっしゃる通り。流されに流されまくっている受。流された挙句最終的に合体までしちゃってるんだからすごい。
受としては”俺らは友達だ”という呪文により全て都合よくチャラにしているが、そんなことは決してない。根本的に受が世間知らずすぎて怖い。でもきっとそこが受の推しポイントなんだろうな・・・
そしてやけに男友達や先生から過度なモテ方をする受。そんな日常のためか攻のわかりやすい愛情表現にも”友達”の範囲内として気づくことはない。
逆に攻は結構冒頭から彼氏面してて、受に対してちゃんと恋愛感情を抱いていた感じがする。
というかそれなら早い段階ではっきりと告白しろと思うわけ。「自分に彼女ができてもヤッテくれんの?」とかもはやクソ男発言でしかないんだが。拗らせてるのかなぁ?!
余談なんだけど、現実の男子って友達と一緒にAV観賞したり、そのままお互いのピーをやりあったりするものなの?BLあるある兼BL七不思議でもあると思うのよね。最初友達として始まった二人がそんな感じで境目がわからなくなって行くところまで行っちゃうっていう・・・かくいう、この二人の始まりもAV観賞からの触りっこ。
攻と受の大学友達である中西が実の弟といちゃつくくだりがあるんだけれども、果たしてこのストーリーが本作に必要だったのかどうか今でもわからない。
とにかくめちゃくちゃにイケメンな中西兄弟。兄に至っては便底眼鏡をかけないと生活がままならないほど。この設定の時点でかなりギャグ。そんな兄を溺愛する弟と、なんだかんだ弟に執着する兄の共依存の話しとなっている。
作中ではお互いがかけがえのない存在なんだということはわかるものの、それが恋愛的なものに発展する様子はなく。急に始まって、わーわー騒いで終わった1話完結もの。メインのカップルに関わるエピソードもなく、本作品の中でかなり浮いていた話しだった。
浮いていたといえば、終盤に攻と受が一緒に温泉旅行に行くんだけれどもそこで出会った仲居さん(♂)の当て馬感はハンパなかった。攻が嫉妬するくだりがあり、結果、二人は恋人同士になるんだけれど、そのキーパーソンであるはずの仲居さんがちょい役すぎて扱いが物凄く雑っ!!残念なことに後半にいくにつれてどんどんギャグ要素が強めになってくる。
この最終話に至っては、ようやく付き合いだした二人の大切な話しなのにほぼギャグでなんだか適当で萎えた。
最後なんか恋人同士になったことを”そういう風に過ごしたんだ”ってまとめてるんだけど、え?なに?小学生の感想文ですか?
著者があとがきで”いつもシリアス展開な話しを描いてしまうのでアホエロは楽しげな漫画になるように描きました。”とある。本作品はまさに著者の思い通りの作品になったと思う。
著者があとがきで”いつもシリアス展開な話しを描いてしまうのでアホエロは楽しげな漫画になるように描きました。”とある。本作品はまさに著者の思い通りの作品になったと思う。
正直商業誌としてだすクオリティではないと感じる内容だった。pixivとかで読むならまだしも漫画となると、どこかしらでもっと楽しませてほしかった。
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