著者:博士
出版社:一迅社(gateauコミックス)


攻:加賀(表紙右の金髪)/受:文月(表紙左の黒髪眼鏡)

『自己管理ができず原稿締め切り間際の土壇場で意識を失ったエロ漫画家の加賀けんぢ。
幼馴染の事態を見かねた担当編集は、加賀の大ファンだという文月るいをアシスタントとして採用し、原稿の手伝いに加え、加賀の身の回りの世話を命じる。しかし、人間嫌いな加賀は文月に自主的に辞めてもらおうと”オナニーしながら描くと調子が出る”と言って自分のちんこを見せつけてーー!?』



共感ができるようで全くできない作品。
各お話でテーマはあるものの深堀がさほどないため内容がどうも薄く感じられた。

1話目以外は基本的にいちゃいちゃしてる。とても仲がいいw

絵は線が荒い感じで、後半になるにつれ少しタッチが変わっていく。攻は最後キラキラ系に変化しててなんだかホストみたいだった。受は男の子というよりは少女漫画の女の子みたい。ファッションはモード系が多くておしゃれ★身体や手の描き方は好みだった。

あと全体的に会話のテンポがいい。例えるならギャグ漫画に近いかなぁ。攻のたたみ掛けるしゃべりに対して、受がいい感じに合いの手を入れてくれるのでクスッと笑える。



ーーーーーーーーーーーーーキリトリ線ーーーーーーーーーーーーー

以下より下からはネタバレを含む
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読み始めて3ページ目にして急に謎の病によって倒れる主人公。
絵柄のせいか、前振りがなかったから、特にそこにふれていないからか、何事もなかったかのように話がトントンと進んでいく。

受が元々攻のファンだということはわかるが、最初から何の抵抗もなく汚い部屋を掃除し、挙句には攻のピーを興味津々に触ってしまう始末。攻に言われたことはなんだって従っちゃう。そこに疑いも嫌悪もなく、もはや崇拝に近い。とにかくどんな状況でもどんな酷いこと言われても、その崇拝の精神のおかげで全てポジティブに変換されていくのが凄い。
んんん・・・わかるようでわからない。

さすがに攻も「こ、こいつ・・・強いっ!」って逆にダメージ受けちゃってw
そんな攻も、受に自分のピーを触ってもらってるだけなのに凄い感じちゃってイってしまうっていう・・・さっきまで邪険にしてた子によ?なんなら本人ばりばりのノンケで女好きよ?さらにはこの瞬間受のことを好きだと自覚するっていう。えっ?恋に落ちたの?ここで?この数コマで?!
この時点で個人的には読み進めるのに
迷いがでてきた。まだ始まって1話も終わっていないのによ?

なんだかんだアシスタントの件をお断りされ泣く泣く帰る受。それを追いかけて引きとめる攻。やっぱりアシスタントお願いしますとお願いした後ついでのように「キスしていい?」って。ん?
しかも受も即答で「はい」ってOKするの。は?
まじで二人の二人にしかわからない空気感もやりとりも意味がわからないし、二人の気持ちの動きが見えなさ過ぎて
完全に私置いてけぼり。無理やりくっつけて終わらせたような1話だった。

というか攻から告白のようなものをされた夜、受が自慰するんだけど、当たり前のようにお尻に指入れてて・・・え?!受ってもしかして元々ゲイの人なの?!攻だけじゃなくもれなく恋愛対象が男性なの?!急に来た衝撃的な場面になぜ?なぜ?がつのるものの、ここに関しても特に説明もなく、ふれることもないので結局行き場のない気持ちがずっと放置されたままだった。

攻が受を好きだと自覚したのはわかるけど、今までめちゃくちゃ女が好きだった人が急に一緒にお風呂はいりたくなっちゃうくらい男性に抵抗なくなるってどうなの?ましてや男女同士のエロ漫画家で男性の体を自分の性的興奮の対象として見れるのかが謎。
そもそもこの漫画で攻が”エロ漫画家”である意味ってある?特に”エロ漫画家”じゃなきゃいけない要素があまりなかったように思う。

攻はどんどん受のこと溺愛して、どんどん日々が満たされいっちゃって、もういいエロ漫画描けないから漫画家辞めるってなるの。
でも受が攻の漫画が好きで好きで、自分のせいで漫画描くの辞めてほしくないって伝えると最終的には受のために漫画描くって決めるのよ。しかも受の希望するものを描くって。
続けることが大切ではあるけど、受はそれでいいのか?と。そこには漫画に対する攻の想いはあるのか?と。

最終話では、どうして受が本人に直接会う前から盲目的に攻のことを好きなのか。
攻が今までどうやって漫画活動をしてきて今エロ漫画家になったのかっていう所にふれていくんだけど。そこにもっとページ使った方が良かったよね。どう考えてもそれ大事じゃん!だって、タイトルがもう漫画家とアシスタントって言ってるんだよ?!
受が人生を変えた一冊がどういう内容だったのかとか、
実際どんな影響を与えたのかとか、もっと知りたかったよ!「先生にはホントにたくさんの影響を受けたものです」でまとめられた作品たち。勿体ない!!

攻が少女漫画を描いていたことを黒歴史として葬り去っていたけど、
なんでそこまで隠したかったのか
がわからなかった。単純に打ち切りになって成功しなかったというのも理由としてはあるんだろうけど、
攻が少女漫画に対してどう思っていたのか作中では深く語られていないので、本気だったのか、自分らしいものを描いていたのか、そこをもっと知りたかったよ!!


最初は何を見せられているんだろう?と謎のまま読み進めていき、最後はそれでいいの?と疑問が残る終わり方だった。